FCティアモ枚方と建助の目指すところ
三浦:では、本題に入りましょうか。
まず、今後建助事業部がFCティアモ枚方を支援していく上で、
チームの現状についてお聞きしてもいいですか?
巻 :今季からJFLにあがり、、わかりやすく言うとJ4の位置にいます。
その上で、選手の人間形成などをしていければいいなと。
高卒・大卒・Jリーグからくる選手が一丸になって、順位はもちろん、
より良いチームとして、人として上を目指していくイメージを共有しながら頑張っているところです。
三浦:つまり、収入の面だけではなく、人間形成のために外に出していくということですよね?
勝ち抜くためには、人間関係を上手く築いていくことや社会人としてのレベルアップが
チームとしては大切になっていくということですか?
巻 :そういうことになりますね。
ただ、収入の面が大きいのも事実です。
それだと、Jリーグからきた選手はプロ契約だけでもいいことになりますよね。
でもここではJリーガーでは経験できないことをやってほしいと思っています。
人として成長するためには、サッカーの練習をするだけではだめなので、選手には、
チームに入るときに働きながらでもやっていけるかどうかの「覚悟」の確認をしています。
三浦:なるほど~。
では次に、チームを作っていく上で大切な選手を、
うちに任せようと思っていただけた理由はなんでしたか?
巻 :基本的に選手はスポンサーの会社で働くことが多いです。
そうじゃない会社に預けるとき、迷惑をかけてしまうことが多いので事前に説明をするんですが、
ファストコムは「迷惑なんて大丈夫ですよ」と言ってくれるだけではなくて、
選手を上手に使っていく手段、プロデュースしていく手段を提案してくれたことが心に残っていますね。
三浦:ぼくも巻さんとお話しして、
選手たちを地域貢献などいろんなところに露出していきたいということや、
気持ちで仕事をしていきたいという思いなど、
お互いのやっていきたいことがマッチしているなとすごく思いました。
枚方は縁もゆかりもない土地でしたが、
巻さんと話しているとティアモ枚方を応援していきたいと純粋に思えてきたんです。
巻 :すごく嬉しいです!ありがとうございます。
三浦:あとは、大切な人材を受け入れるということに対して会社としては、
普通の雇用ではないという中で、巻さんがこの活動について共感できたということが
一番大切で嬉しいことです。
三浦:ちなみにちょっと気になっているんですが、今のチーム編成の進捗状況はどんな感じですか?
巻 :来年のチーム編成は、今もう始まっていますよ。
チームにはバランスが必要で、ベテランが多くてもだめだし若手が多くてもだめだし…。
あとは、ポジションバランスも大切で、チームの弱いところを埋めていく、
強いところを伸ばしていくことを考えています。
その中で、受け入れてもらう相談をこれからさせてもらいたいと考えています。
巻 :ぼくも気になっていたんですが、
実際に選手たちにはどんな業務を任せていただけるかは決まっていますか?
三浦:業務については、少しずつイメージしているところで…。
まずは、いろんな方がいる中で、それぞれに合った仕事があって、
向き不向きがあるということを加味していくということが大前提ですね。
その上で例えば、工事をするときの駐車場を探したり、
役所への申請書類の提出や完成物件への家具の搬入などを任せていければいいなと思っています。
巻 :うんうん。
三浦:でも、一番大切なのは仕事を通じて自分自身のファンづくりをしてもらうことなんです。
そうすることで、建助というブランドを広めていくことにつながりますよね。
営業という、不特定多数の人と関わるような仕事をこなしてもらいながら、
建助というブランドも背負ってもらって、ダブルでファンが増えていくことが理想です。
選手のファンが増えることでチームのファンが増えてチーム拡大にもつながっていくはず。
お互いに相乗効果があるので重要なことだと考えています。
巻さんは選手にどんなことを身に付けてほしいですか?
巻 :そうですねー。
気持ちの部分が多くなりますが、お世話になっている会社のために貢献する気持ちが、
チームのため、地域のため、仲間のために貢献する気持ちにつながると思っています。
選手の会社の人との付き合い方を見ると、会社での働き方が何となく見えてきます。
会社の人が試合を見に来てくれたりする人とそうでない人ははっきり分かれるんです。
三浦:それは、興味深いですね。
巻 :チームの人には言えないような、サッカーについての悩みが会社に行くと
顔に出てしまうこともあって、そういうところで、会社の方から心配の連絡をもらうことがあって、
よく見てくれているんだなと感じたことがありました。
三浦:応援が多い選手とそうでない選手に成長の違いに差はありますか?
巻 :ぼくの体感ですけど、あると思います。
やはり会社の人の応援が多い人は、協調性がある。
自分のことしか考えていない選手は、プレーの選択を間違えてしまったり、パスがこなかったり。
そうすると、監督につかってもらえなかったりします。
三浦:そういうことにつながるんですね。
巻 :はい、みんなにパスを出す、みんなからパスがもらえるということが、
いい選手というわけではありませんが…
チームプレーが大切なので、会社というチームの中で、自分の地位を確立している選手は、
チームの中でも確立できると思っています。
なので、会社での人間関係は本当に大切ですね。
三浦:なるほど。
では、選手ではなくチームで見たとき、たくさんある中で、突き抜けられるチームは、
応援してくれている企業やファンの方の数に比例しているものですか。
巻 :そうですね。
やはり、お金を使っていい動きをして一時的に結果を出しても、
継続して一緒に戦っていく姿勢がないと、落ちてしまいます。
年々、上がっていくだけではなく、落ちてしまうことも…。
そうならないために、チームとして体力をつけること、本当の意味で強くなっていかないと難しいです。
三浦:やはりチーム以外のコミュニティに参加していくことは、
サッカー選手としての成長にとっても大切ということですよね。
巻 :そういうことですね。
『社会人』としての成長は、チームからお金をもらって、1日数時間の練習と、
あとは何をしてもいいという生活ではなかなか育ちません。
もちろん、チームの先輩たちや、ステップホルダーの方たちとの関係で
成長していく選手たちもいますし、自分でいろんなところに出て行って、
学んでいく選手もいます。
三浦:建助の人たちだけではなくて、建助に関わっている人や企業も、
一緒にまきこんでいけるような環境を作っていけたらいいですね。
例えば、住宅展示場のイベントに選手達に参加してもらったり、
建助としてもチームを盛り上げる何かを企画していければと考えています。
巻 :ぼくらも今はできていませんが、
ティアモ枚方の試合の日には競技場でイベントやお祭りを企画して、
市民の皆さんに日頃から近くに感じてもらえるようになればいいなと思います。
三浦:建助としても、ティアモ枚方というブランドを背負ったサッカー選手が、
建助の仕事をこなしてくれるのはありがたいことです。
だから、ただ仕事をこなしてもらっていくだけではなくて、多くの方と接していくのであれば、
自分のPRの場として使ってもらえればいいなと。
そうした方が責任を持っていけると思うんです。
そこにすごく相乗効果が発生していくのではないかと予想しています。
巻 :うんうん。たしかに。
三浦:例えば、選手が持つ名刺の裏に選手としてのプロフールを記載して、
お互いがお互いを支えあって、コラボ活動のようなこともできたらいいなと思っています。
そういう活動を通して、関わっていくクライアントさんや、地域住民の方に、
新たなインパクトを与えられる活動になっていけばいいですね。
巻 :ぼくも、ただ選手を雇用してもらうだけではなくて、選手が外で仕事をしていく中で、
お互いの宣伝ができればいいなと思っています。
三浦:あとは、建助で強化している広報というところで、
ウェブメディアでもっと掲載していけたらと考えています。
リクルートイベントもこれから増えていくと思うので、サッカー業界を全く知らないような人たちに、
こういう広い視野で活動しているサッカーチームがあるということを広めていけたら。
イベントというイベントに関わっていただけたら嬉しいです。